基本的な構えやショット、ルールなどが理解できたら、次はいよいよ実際のゲームを行ってみます。

ゲームの進行は競技種目や大会ルールによりことなりますが、だいたい以下のような感じで進められて行きます。

  1. バンキングやくじ引きなどでプレー順を決める
  2. ラックを使用してボールをセットする
  3. ブレイクショット
  4. ブレイクショットで的球が1つでもポケットに入ればブレイクした人がプレーを続ける
  5. ポケットに失敗したとき、ファールがあった場合はプレーが交代する
  6. すべての的球がポケットされ手球がテーブル上に残っていればゲーム終了。ゲームにより点数制や9番をポケットしたほうが勝ち、などさまざま。
  7. 複数のゲームを行う場合は再びラックでボールをセットしてゲームを行う。

ゲームの順番を決める「バンキング」

まずはじめにゲームの打つ順番を決めます。決める際には「バンキング」やくじ引きなどを用います。

バンキングのやり方

二人のプレーヤーがヘッドスポットを挟んで両側に立ち、それぞれ手球をヘッドライン内にセットします(手球が2個用意できない場合はやむを得ず的球を使用することもあります)。

二人同時にフットクッションをめがけて球を撞きます。フットクッションに当たった球がプレーヤーの立つ側のヘッドクッションに近い位置で止まったほうが勝者となります。戻ってきた球がヘッドクッションに当たるかどうかは問いません。

以下の場合は自動的に負けとなります。

  • 長クッションにボールが当たってしまったとき
  • ヘッドクッションに当たらなかったとき
  • ヘッドクッションに2回当たってしまったとき
  • ポケットにボールが入ってしまったとき
  • 台の半分から相手の側にボールが入ってしまったとき
  • ボールが場外に出てしまったとき

ほぼ同じ位置でボールが止まったときには再度バンキングを行います。
バンキングに勝つためには力加減とまっすぐに撞く技術が不可欠です。

ラックを使ってボールをセットする

バンキングなどで打つ順序が決まったら、今度はラックを使用してボールをセットします。
ラックをセットするのは「ブレイクショットをしないプレーヤー」です。的球の並べ方は競技によってさまざまですが、ここでは広くプレーされている「ナインボール」のラックセット方法を見てみましょう。

*ナインボールの場合、1番、2番、9番のボールは位置が指定されています。

トライアングルラックの場合

  1. ラックの先端(内側)をフットポイントに合わせます。
  2. 1番の的球をラックの先頭に置き、9番以外のボール2つを1番の下にセットします。
  3. その下に9番を中央にして両サイドにボールを一つづつセットします。
  4. 更にその下に2つ、2番ボールを頂点においてひし形の配置にします。
  5. ボール同士が密着しているか確認します。
  6. トライアングルラックだけを前に押し出し、ボールと離れてから上に取り上げます。

ラックシートの場合

  1. ラックシートの先端をフットポイントに来るように敷きます。
  2. 1番をフットポイントにセットします。
  3. その下に9番を中央にして両サイドにボールを一つづつセットします。
  4. 更にその下に2つ、2番ボールを頂点においてひし形の配置にします。
  5. そのままブレイクショットします。
  6. ブレイクショット後にラックシートを外してプレーを続行します。

ラックにボールをセットするときはすべてのボールが密着しているのが望ましいのですが、ルールでは1番とその後ろの2つのボールが密着していれば良いとされています。
ただ、それ以外のボールが密着していなくても良いかと言うとそうではありません。実はラックのセットがゆるいとブレイクショット後に的球が散りやすくなり相手にチャンスを与えてしまいます。ひどいときにはブレイクショットで9番をポケットされてしまう「ブレイクエース」になってしまうこともあります。「前3個がくっついているからいいや」などと軽く考えていると痛い目に合います。可能な限りボール同士を密着してセットしましょう。

ブレイクショット

ラックを使用してボールのセットが終わったら、いよいよブレイクショットです。
ブレイクショットは最初のゲームは「バンキングの勝者」が、それ以降のゲームでは「勝者ブレイク」や「交互にブレイク」などさまざまです。

  1. ブレイクショット時の手球のセット位置はヘッドラインよりも手前であればどの位置においても構いません。
  2. 1番ボールをめがけて手球を撞きます。ナインボール競技の場合、基本的には強いブレイクショットで的球を散らして次のショットにつなげます。
  3. ブレイク時の手球以外のどの球がポケットしても次のプレーの権利があります。
  4. ブレイク時に最初に1番ボールに手球が当たらなかった場合、一つもポケットできなかったとき、4個以上の的球がクッションに到達しないときはファールとなります。手球がポケットに入ってしまうスクラッチも同様です。ファールになった場合、相手のプレーヤーは台上の好きな位置に手球をおいてプレーを再開できます(フリーボール)。

ブレイク後のプレー

ブレイク後のプレーはナインボールの場合、台上にある一番小さい数字の的球を狙って手球を撞きます。
例えば台上に2番、5番、9番が残っているときは手球が2番に最初に当たらなくてはいけません(手球がクッションに当たってから2番に当たるのはOK)。このときに2番が5番にあたり5番がポケットしたときなどはプレーを継続できます。どの的球もポケットできなかった場合やファールがあった場合はプレーする権利が相手に移ります。

競技によりルールはさまざまで、ナインボールの場合は9番をポケットした人が勝利、ポケットしたボールの番号が点数になり得点により勝敗が決まるなどいろいろなものがあります。